HAND WORK とりい 手作りブログ

浜松市中区田町の洋裁・手芸・手編みの材料・道具専門店「ハンドワークとりい」のブログです。

家庭用ミシン針と糸のお話

本日7月21日は「海の日」です。

家庭用ミシン針と糸のお話

本日は、海とは関係ありませんが、家庭用ミシン針と糸のお話をさせていただきます。

今日のところは「家庭用」に限定させていただき、「職業用(工業用)」及び「ロックミシン」につきましてはまたの機会に改めてさせていただきます。

まず、通常のミシン針には太さで大別して4種類があります。

細い順に「#9(9番)」、「#11(11番)」、「#14(14番)」、「#16(16番)」となります。

ミシン糸は、もっとも一般的なフジックス製シャッペスパンのミシン糸で細い順に「#90(90番)」、「#60(60番)」、「#30(30番)」となります。特定の量の繊維を使って、どれだけの長さの糸ができるかが基準になりますので、糸に関しては、数字が大きくなるほど細くなります。
シャッペスパンはポリエステル100%です。綿に比べて丈夫で安価です。後述しますがニット等の伸縮性のある素材や、絹等の弱い素材、サテン等の光沢のある生地を除くほとんどの生地はシャッペスパンのミシン糸が最良です。

色は全部で300色あります。このうち100色は60番(普通地用)のみとなりますが、200色は薄地用の90番・厚地用の30番と取り揃えております。

縫う生地の厚さによって使い分けましょう。

家庭用ミシン針と糸のお話

いちばん一般的な太さは、ミシン針は11番、ミシン糸は60番になります。

ブロード、シーチングからオックスフォードぐらいまで、やや薄手~普通地までは11番の針でOKですが、問題はそれ以外の生地です。

ジョーゼット等の薄い生地には細い「9番」の針と薄地用の「90番」の糸をお使い下さい。

この場合、気をつけなくてはいけないのはミシンの糸調子です。

普通地と同じような強さで縫ってしまうと、つれたような状態(生地が糸に引っ張られたような状態)になってしまいますので、まずは試し縫いをされるのが賢明です。

逆に、厚地の生地を縫う場合、ミシン針は太めのものに変更してください。
やや厚地の生地(薄めのハンプやデニムなど)や薄手のキルティングは14番に、デニム・帆布等の厚手の生地や厚手のキルティングは16番に変更してください。

厚手の生地を細いミシン針で縫うことの弊害は、当然細い針はそれだけ折れやすいということです。

最悪の場合、折れた針が原因でミシンが故障したり、モーター部分に余計な負担がかかってやはり故障したりというケースがございます。

糸は、目安として針が14番程度ならば60番の太さの糸で十分と思いますが、ミシン針16番程度の厚地の生地を縫う場合や、太い糸でステッチを目立たせたい場合は30番をお使い下さい。

また、太い針ほど目の大きい部分を縫うので生地をいためません。
そのため、普通地の生地を縫うのに14番の針を用いるという方も結構いらっしゃいます。
やや厚手の生地う縫うのに、針の選択に迷ったら、14番に変えてみるのも良いかもしれませんね。

以上は一般的な綿、ウール、ポリエステル、レーヨン等の生地を縫う場合の話です。

以下のような生地については専用の針をお使い下さい。

・ニット、スムースなどの伸び縮みする素材→レオナ66のニット用糸、ニット専用の針をお使い下さい。
糸の太さは50番のみです。針はそれぞれの素材に合った太さの針をお使い下さい。

・絹を縫う場合→糸は絹ミシン糸をお使い下さい。針は一般生地用と一緒でOKです。
絹は素材として弱い素材になります。丈夫なポリエステルの糸では生地が糸の強さに負けてしまい、最悪生地を破損してしまうことがありますので、絹を縫う場合は絹糸をお使い下さい。

・皮革、合成皮革、レザー→針はレザー専用針をお使い下さい。糸に関しては、別段の必要がなければシャッペスパン60番又は30番(厚さやステッチの太さに合わせてチョイス)でも良いと思います。

・サテンなどの光沢のある生地を縫う場合→糸は「フジックス ファイン」をお使い下さい。針は、伸び縮みする素材でなければ普通針でOKです。伸縮性のある素材の場合はニット専用針が良いかもしれません。

家庭用ミシン針と糸のお話
最後に、糸の色の選び方ですが、店頭に糸の見本帳を置いておりますので、生地をお持ちいただいて見本帳の糸筋と合わせてみるのがベストです。
写真はシャッペスパンの糸見本帳になります。

絹糸、ファイン、レオナ66はそれぞれ色の設定が異なります。
見本帳は全種類置いておりますので、それぞれの見本帳をご覧ください。

生地にぴったりあった色がもちろん最良なのですが、これだけたくさんあってもなかなかぴったりくる色がない生地もございます。
迷ったら、「やや濃い色」を選ぶと、目立ちません。
(縫う生地よりも薄い色の糸は目立ってしまいます。)

複数の色を使っているプリントや先染め生地を縫う場合は、一番多く使われている色か、一番濃い色のいずれかに近い色を選ぶと良いと思います。

最後に、ニット専用針の特徴について説明いたします。

ニットの生地は目の粗さにむらがあり、目が小さい部分と目が大きい部分とがあります。

ニット専用針は、通常のミシン針に比べて先があまり鋭くとがっておりません。

ニット専用針でニット生地を縫うと、目が大きい部分を拾って縫って行くような形となります。

そのため、通常の針で縫った場合と比較すると糸がほんの少し蛇行している(真っ直ぐ縫ったつもりでも本当に真っ直ぐではない)ように見えてしまう部分もありますが、目の小さい部分を強引にこじ開けてまで真っ直ぐ縫わない分、生地の傷みが少ないのです。


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この記事へのコメント :
勉強になります!
お気に入りに追加させていただきました。
Posted by オレンジチョコオレンジチョコ at 2014年07月24日 14:30
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    コメント(1)