HAND WORK とりい 手作りブログ

浜松市中区田町の洋裁・手芸・手編みの材料・道具専門店「ハンドワークとりい」のブログです。

ミシンのボビンのお話。

ミシンのボビンのお話。
少し前の話ですが、小学生のお子さんとお母さんが買い物に来られました。

「学校の家庭科の授業で必要なので、ミシンのボビンを下さい。」

困ったことに、「これだけでは、分かりません。」のです。

子供だけでなく、大人の方でも時折、「ミシンが動かなくなった」、「うまく縫えない」と持って来られる方もいるのですが、よく見ると型の違うボビンを使用していて、全く動かなかったり、動いても綺麗に縫えないケースも散見されます。

本日は、ミシンにとって大事な「ボビンの選び方」のお話をさせていただきます。

心当たりのある方はぜひこの文章をご一読いただき、今一度お使いになっているミシンを確認してみてください。

日本国内メーカーが使用しているミシンのボビンは、6種類あります。

うち1つは工業用(職業用)のボビン(I-2型、写真左上)で、これは国内メーカーは統一規格。

これに関しては、プラスチック等の樹脂では高速回転の摩擦に耐えられないため、工業用のボビンは全て金属タイプになります。

あとの5種類は全て家庭用です。

逆にいえば、家庭用ミシンのボビンは5種類もあるんです。

ミシンのタイプで大別すると、「ボビンケースがあるミシン」と「ないミシン(水平釜ミシン)」とがあります。

ミシンのボビンのお話。

ボビンケースがあるミシンは「半回転」と「全回転」の2種類があります。

ボビンケースの形に特徴があり、半回転タイプは角のような突起が出ていますが、全回転タイプにはありません。

ミシンのボビンのお話。

半回転用のボビンは「H-1型」(画像上中)、全回転用は「H-2型」(画像右上)になります。

H-1型は厚さが11.5mm、H-2型は9mmで、大きさが違いもちろん互換性はありません。

一方、近年のミシンに多いのが、ボビンケースを使用しない「水平釜ミシン」です。

こちらは国内メーカーで大別すると3種類があります。

・H-1型(画像左下):ジューキ、ジャノメ、トヨタ、シンガー(ただしモナミタイプを除く)

・H-2型(画像中下):ブラザー

・H-3型(画像右下):シンガー(モナミタイプ)

厚さはH-1型が11.5mm、H-2型は9mm、H-3型は10.8mmです。

H-1型、H-2型に関しては前述の水平釜用ボビンと共用も可能です(一部機種を除く)。

家庭用ミシンのボビンの見分け方をフローチャートにしてみます。

ボビンケース
ない   ある → ボビンケースに角(突起が) ある → 半回転(H-1型)
↓                              ない → 全回転(H-2型)
メーカー
・ジャノメ、ジューキ、トヨタ、シンガー(モナミタイプを除く)→H-1型
・ブラザー→H-2型
・シンガー(モナミタイプ)→H-3型

学校で使用しているミシンは、以前は半回転のタイプ(H-1型使用)が多かったのですが、近年新調する際に水平釜ミシンに変更しているケースも多く、当店では残念ながら把握しておりません。

学校の先生も、家庭科担当の先生でなければどのタイプかを把握していないと思われますので、お子さんが「ミシンのボビンが学校で必要」と言われた場合には、ご面倒でもどのタイプのボビンが必要かを事前に学校にご確認くださいますよう、よろしくお願いします。

また、ご家庭で使用しているミシンについても同様です。

特に、「最近ミシンの調子がおかしいな」と思っている方は、誤ったボビンを使用している可能性がございますので、一度ご家庭で使用しているミシンをしっかり調べて、適切なボビンをお求めください。



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